• HOME
  • >
  • ARCHIVE:2010.November

CGの壁

この企画を始める前に、
いろんな人に相談をしたことがある。
それは、ツールの問題。

C​G​業界では、
力を合わせて大きな作品を作ろう!という話をするが、
実際に作るとなると、
ネックになる問題がある。

C​G​業界では、
MacとW​i​​n​d​o​w​s​のような制作ソフトが4種類もあり、
そのツールが違うと互換性もないので
各社間でデータのやり取りが出来ない。

さらに、出来たとしても
各社のノウハウの問題があって
簡単には協力関係を結べないのだ。

実写映像でも、アニメでも、こういう壁はないのだが、
CGにはあるのだ。
だから、作品にとって、起用したいクリエーターよりも
ツールを使えるクリエーターが起用されるのが
CG業界では当たり前なのである。
とても不思議な話である。

このような日本という小さな国の
星の数ほどあるプロダクションが協力し合えないのは
業界全体にとって、あまり良いことではないように思う。

でも、それを仕方ないとあきらめる会社も多い中、
東映アニメーションの氷見プロデューサーは
その壁に疑問を抱き、同じような思想を描いていた。

希望の光を感じた。

結局、ダンデライオンさんの提案に基づき、
データを丸裸で用意し、
各社に配布することで制作している。
使い慣れていないとはいえ
将来のためには、使うしかないと思った。

映像を作るのではなく、作品を作る。

今回の作品のエグゼクティブプロデューサーに
最初に会った時に
「映像技術は3年で越されるが
良い台詞は10年、20年残る」と
脚本の大切さを語った後に、
音の大切さも熱く語ってくれた。
「音の迫力で、実際に映像で描けない部分を
フォローできる」と言ってくれた。
どちらも、共感できた。それが、
この仕事を請けた理由のひとつだ。

脚本と音の大切さ。
全くその通りだと思う。

実際のところ、映像制作が作品の中の作業量の
大半を占めることは事実だが、
観るほうにすれば、画、音、本は3​点セットであり、
脚本と音楽を軽視すると、
どうしても画を作るクリエーターの士気は上がらないし、
そういう作品を画のクオリティでカバーするのは
本当にしんどい。

そのために、早い段階で
音の打ち合わせが行われ、
それに沿って、脚本の開発が始められた。

脚本は第9稿まで修正が繰り返された。
そして、豪華な声優陣が台詞を読んでいく。

絵コンテにセリフを入れただけで
作品として見応えがあった。

シナリオが面白いと、カメラアングルや
アニメーションにもこだわれるような気がする。

豪華ラインナップ

各社に各話毎お願いするにあたって、
最初の7​話までに一区切りがある。

その7​話の中でも最初と最後は、
CG業界でも老舗でありながら、
オリジナルに挑戦している会社に
お願いしようと、ダイナモピクチャーズと
フレームワークスにお願いをした。

そして、自主制作で作品を作っているような
作品作りに熱い会社にもお声掛けし、
ウエルツアニメーションスタジオと
空気モーショングラフィックが。

実績豊富で、業界を変えようと頑張っている
ダンデライオンアニメーションスタジオと
モーションキャプチャースタジオのモズー。

さらに、新しい会社ながら、若いパワーがあふれ、
何か新しい風を吹き込んでくれそうな
プレミアムエージェンシーの7​社と決まった。

中でも志を共感できた各社のプロデューサーの協力あって、
新進気鋭のクリエーターに参加頂き本当に心強い。

「作品である以上、どのプロダクションの誰でも作れるもので
あってはいけない。作るべき人が作ってこそ商品になる」
と、ある方が言っていたが、そういう意味でも、
この豪華ラインナップにジーニーズが加われない状況にもなってしまった。

プロデューサー 川嶋洋樹